『spica』には少し期待しておく

spica (講談社BOX)

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内容紹介
『エレGY』に続く最強のラブストーリー! 「恋愛は甘くて音楽のように心地の良いものだと思ってるやつがいたら死ね」。元恋人・遥香に振り回され、引き裂かれ続ける中で、水井が最後に望んだことは……。

内容(「BOOK」データベースより)
髪はピンク。眉や睫毛までもがピンク。そして虚言癖のある元・彼女―遙香。でも、彼女との“別れ”なんかより、遙かに苦しくて、辛くて、最低最悪なことがある…それは、「続く」。恋愛は甘くて音楽のように心地の良いものだと思っているやつがいたら死ね。ファッキンラブ!デビュー作『エレGY』にてあの乙一滝本竜彦をうならせた疾走感が“恋愛小説”を新たな次元に押し上げる!かつて恋愛した人、今恋愛してる人、そしてこれから恋愛する人泉和良が贈る、とびきりのラブストーリー。

 先だっての『エレGY』のレビューでは結構ボロクソに言っちゃったけど、どうやらあの甘々なご都合主義的展開は読者を釣るためのエサだったみたいですな。私が批判していたポイントがそのまま次回作で取り上げられてるのを知って、苦笑した。なるほど、ちゃんと分かってやってたんですね。山田玲司が『絶望に効くクスリ』の中で、売らんがために『Bバージン』を描き、人気が出た所で、自分が本当に描きたかった主題を『ストリッパー』でようやく描けたと述懐してるのと相似している。