超常なるをもて異常たらんとするは極めて凡庸なり

 西尾維新作品を読みて思いしは、その(戦闘)能力の傑出ぶりを以って登場人物を天才としているのではなく、彼らの世界観や人物観、人生観が極めて異端であるが故に、彼らは天才の称号を得るにふさわしき存在なのだろう。仮に全宇宙を支配する神が現出したとて、その神が我等の想像の領域を越えないのならば、神は路傍の石くれにも劣ると言えよう。